私は考える

職場の仕事部屋に、同じチームの上役Kさんがデスクごと引っ越してきた。
Kさん、ずっと入院してたんだけど、退院できたんだな〜と思ったら、どうも完治はしておらず、そのため暇人集まる部屋へ島流しにあったらしい。

どこが悪いか聞いて打ちのめされた。
骨髄性白血病。
薬による治療が思わしくなく、移植のドナーを待っている状態。
小説だのテレビだのではよく見るし、症状や治療法もよく知っているくせに、ちっとも現実味がない病気だった。
知っているだけに、薬も合わない、ドナーもいなければどうなるのか、Kさんが口にしなくても分かってしまった。

私は骨髄バンクには登録していない。
と言うのもドナー側にも安全性に問題があって、事故も何例かあるし、負担も大きいのでリスクがあること、提供するために職場を休めるかという様々な問題があって、果たして自分が移植に臨めるかに確信が持てなかったからだ。もし軽々しく登録して、自分のHLAに適合する人が移植を希望しているときに「やっぱり無理」というのでは、登録しないよりも罪が重いと思ったのだ。
でもその後忙しさにかまけて結局有耶無耶にしてしまったのは、私の怠慢だ。

もう一度、情報を集めて吟味してみようと思う。きちんと調べて納得できたらドナー登録をしよう。今度は有耶無耶で終わらせない。